経済書でもかく胸がすく思いができるものか

 

 日本の現状、構造、そこからの打開策をこれほど簡明に(データーなど根拠を添えて)指し示すことができた経済書が他にあるでしょうか。

 たとえば、その一部分は次のごとく(同書91〜93ペイジ)で、その論点は、主権在民の国家とその国民の幸せと豊かさに根ざしており、現状に危惧の念を抱いている者の心に次代を明快にイメージさせます。そしてその視点は、勇気ある決断を迫ることに焦点が絞られているように思われ、勇気づけられました。

 シニョリジ(通貨発行権益)など、言葉さえ知らない事実を多々学びました。「民間の銀行にお金の9割を造らせている現行制度を廃止し、国民の代表である政府がシニョリジを取り戻せば、それでも日本経済は復活に向かう!」ことを知りました。 私は、お金は日本銀行(紙幣)政府(硬貨)が作っていると思っていたのですが、大部分のお金が民間銀行によってつくられるカラクリをこのたび明快に理解できました。

 主権在民の民主国家をこよなく愛する私としては、筆者のこの国を愛する心にたじたじさせられています。あと10年もすれば、次代はその姿を誰の目にも見えるように露わにするだろうし、この本の提唱が、いかに先見性と愛に満ち溢れたものであったことを思い知らされそうです。
 


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