麻生副総理の本音
 

 

 この幼稚な毒気に満ちたナチス発言は、日本と日本人の品性に関わる問題であるだけでなく、世界中のすべての人々にとって許し難い問題ではないでしょうか。

 日本人は、本音と建前の使い分けに寛大ですが、なんとかそれをなくしたい、と強く願っている個人だけでなく、民族、集団、あるいは国民などもあるのです。

 かつて、コンシステントという言葉があり、個人を褒める言葉として用いられることを知り「ハッと」させられたことがあります。どうやら意味するところは、本音と建前を使い分けない人(との印象を抱かされた)とでも言ってよいようです。しいていえば、考え方のシッカリした人、あるいは時代や権力がいかように代わろうともブレそうにない人、さらにはウソをつかなければならないほど弱い立場に自分を追い込まない人、とでも言ってもよいのではないでしょうか。

 このでんでいえば、麻生副総理はその対極の人であり、それをかばう安倍総理はその上手をゆく鵺(ぬえ)のような掴みどころのない人と見てよいのではないでしょうか。

 ここで野党は一致団結して、総選挙のやり直しに持って行くぐらいのことをしないと、民主党は愛想をつかされてしまい、これでおしまいでしょうし、日本と日本人の品性だけでなく、日本人の民度までが世界のコンシステントな人々から疑われかねません。

 さまざまな人や報道機関がこの問題について、さまざまな取り上げ方をしたようですが、朝日新聞(世界のクオリティペイパーに数えられている)が、読み応えがありました。

 8月1日の天声人語に始まり、8月2日1面の7段ぶち抜きの記事「官邸主導 幕引き急ぐ」、2面の独専門家の指摘「信じられぬほどの誤り」など、4面の「発言と釈明、矛盾」や社説など、そして34(社会)面での「またまた失言」に、メディアとしての新聞の捨てがたさを感じさせられました。