実は、単純なこの表現にたどり着くまでに、随分時間を要しました。この表現を、これまでに言葉に、いわんや文字にしてきた人が他におられたとしたら、私は佳菜子さんからもらった「お褒めの言葉」を3倍にして進呈したいぐらいです。
これまでにも多々勝手な造語を生み出してきましたが、実は過去に、これだけは専売特許にしておきたい、と強く願った造語が2つあります。
現在、リクチュール企画に携わっていますが、それには過去にさかのぼる深い思い入れがあります。それは、随分昔に「タンス在庫」と「バーゲンハンター」という言葉(『ビブギオールカラー ポスト消費社会の旗手たち』1988で詳述)を私が造っていたからです。
このたびのリクチュール企画への参画を木田豊さんから誘ってもらった折に、感謝をするとともに、「タンス在庫」と「バーゲンハンター」という造語を考えた当時のことを懐かしく振り返り、その当時の想いを大事にしながら取り組んでいます。
なぜなら、私たちは今日、複製品(コピー)を大量消費する世界に生きていますが、これはいずれ続けられなくなること必定です。地下に埋蔵されている化石資源や鉱物資源が無限にあったとしても、水や空気を含む、生きとし生けるものの命を育むリビングシステムの許容能力には限界があります。第一、人間は、複製品(コピー)を大量消費する世界にとうてい満足できなくなる時が巡ってくる、と思っていたからです。
複製品(コピー)の「タンス在庫」を上手に活かしたり、賢い「バーゲンハンター」となってそれを「半製品」のごとくに活かしたりして(つまり生活を合理化して)、オリジナルを生み出し、オリジナルの生き方を演じたくなる時代が、さもなければ哀れに感じざるを得なくなる時代がきっと巡ってくる、と見てきたのです。
こうした生き方に多くの人が共感するようになれば、環境問題は自動的に解消される方向に滑り出す、と私は観ています。
それはともかく、マナーを忘れたケイタイの用い方は好まれませんが、だからと言ってあわてて怪我をするのもどうかと思います。
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