わが国とは対極の、未来世代の幸せをおもんばかったNZの一面

 

 NZのみかさんから、海詩は一時インフルエンザで39度を超える高熱が一週間も続き、脱水状態になって、点滴を受けたけれども、今はとても元気になった、と知らされました。

 その際に、NZらしい未来世代の幸せをおもんばかったかのごとくのNZの一面を知りました。インフルエンザは、海詩のクラスでは8月に入って大流行し、1/3が欠席という異常な事態になったそうです。しかし学級閉鎖はなく、これしきで「学級閉鎖」という概念自体がNZの小学校や家庭では浮かばないようだ、と知らされたのです。

 これまで折に触れて、NZの政策を様々な面から取り上げてきましたが、そこには一貫して未来世代の幸せを第一にしていることが読み取れそうです。つまり、これまでの延長線上にはない未来に子どもたちを放り出すことになっても、子どもたちが恐れおののかず、むしろフロンティア精神を発揮したくなるように世に仕向けようとしているように読み取れます。

 残業や単身赴任などを増やしかねない自動車や弱電などの企業は作らず、つまり産業の工業化を進めずに、農業立国を標榜してきたことです。美しい空気、水、土、あるいは景観などを残しておけば、子どもたちはおのずからフロンティア精神を奮い立たせ、未来に希望を抱くだろう、との考えていることです。

 エネルギー政策では、原発は導入せずに日本の技術を生かして地熱発電に力を入れています。医療政策では、主治医制度を導入しており、治療にではなく予防に力点を置いています。つまり各人の免疫力を高め、自然治癒能力を備えさせることを大切にしています。

 近く海詩に会えそうだ、とも知らされました

 ちなみに、海詩の父は、希有な知識と技術を要する仕事についており、妻子と別れ別れになりがちです。問題はそれを、大人や子供が同意識しているのか、ということだと思います。

 私が30歳前後のわが国では、少なくとも商社などに努めていた場合は、毎日早く帰宅して家族で一緒に食事をする夫は、妻から怪訝な目で見られていました。

 海外出張や国内出張で留守がちであったり、残業で遅くなりがちの方が、出世街道まっしぐらとでも見たのでしょうか、自慢にしてもらえたものです。