温室にある小さい方の水槽に大小4匹のキンギョを入れていました。過日、その2番目に大きいのをすくいとって、側にある水鉢に移動させました。なぜならその水鉢で棲まわせていた大きな金魚が忽然といなくなってしまったからです。要はピンチヒッターにさせ、ボウフラ対策に当たらせたわけです。
その後、なぜか水槽に残った3匹の金魚が、底に沈んでジッと動かなくなりました。それまでは、私たちが近づくと水槽のガラスに4匹が、餌をもらえると思ってすり寄ってきていましたが、近寄らず、水面に餌を浮かせても上がってこなくなったのです。
後刻覗きに行くと、餌はなくなっていますが、3匹は底に沈んでおとなしくしており、以前のように泳ぎ回ってはいません。そうした日々がズーッと続いたのです。キンギョにも「寂しさが分かるのでしょうか」「恐怖心かもしれないね」などと妻と語らう日々が続きました。
妻が「戻してやりましょう」と言えば、私は「ならば水鉢のボウフラ退治は誰にさせるんだ」と言い返すだけで、そのままにしていました。戻した後の空になった水鉢に、次に入れるキンギョをどうするか、あるいは、その金魚を取り出したあとに残されるキンギョのことを思ったりするばかりで、「すぐになれるだろう」とたかをくくり、気が進みませんでした。
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