後藤さんに無理を言って、日曜日のルーチンワークを1日早めて、土曜日に(この催し会場であった)京都造形大学まで送り迎えしてもらい、大助かりしています。妻が(人形作りの生徒として韓国から受け入れていた)宋さんと一緒に聴講することになっただけに、とても大助かりしています。
今回の催しは、5人のスピーカがリレー方式で実施しましたが、とても良い流れでした。宋さんは学会慣れしている元教員であるだけに、とても「良いシンポであった」と評価し、リクチュール塾の活動費に、といって「なんと」US100ドルをカンパしてくださった。
このたびのクチュール塾の催しは所要時間が3時間で、私の持ち時間は30分でした。しかし、アイトワ塾の面々だけでなく、佛教大学の池澤さんや未来EXPOの松尾さんをはじめ、大勢の学生にも参加を呼びかけました。それだけに、未来への展望を描きやすい内容にして、若者が希望を抱きたくなるように努めて望んでいました。
わが国の繊維業界にあって、若き日に私が足掻いた足どりを通して「時代はリクチュールを求めている」ことを明らかにする試みでした。大げさに言えば、わが国の繊維業界の起死回生に供するプロジェクトと位置付けました。少なくとも、服飾に関心がある若者にとって、とりわけそれを職業にしようと願っている若者にとって福音になるように、と願った内容です。
服飾関係の学生は激減中です。とはいえ、他国に比するとまだべらぼうに多い。それは、服飾関係の高等教育機関の前身が関係しています。その多くは、かつては花嫁修業の洋裁学校であったからです。それが高度成長の波に乗り、職業人として養成する機関に変身していった。
ところが近年は、わが国のアパレル産業は精彩を欠いており、服飾デザイナーやパタンナーを目指して学んだ学生に力を発揮させる場を十分に提供できていません。その多くの学生が、服飾品の販売員に転用されているのが現状です。これではお先真っ暗です。
繊維業界が抱える近き未来の暗い見通しを紹介しながら、この余剰人材を有効に活かし、未来を明るくする必要があります。「時代はリクチュールを求めている」との演題は、その期待に応える有効な策であることを暗示させたつもりです。
それだけに残念であったことは、肝心の京都造形大学の学生がほとんど参加しなかったことです。講義の一環に組み込むと聞いていましたから、少なくとも数十名は参加するものと期待していただけに残念でした。それだけ余計に、呼びかけた佛教大学や未来EXPO関係の学生にとても興味を抱いてもらえたようで、ありがたく感じました。
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