「老伴(おいのとも)」
 

 

 松阪から和菓子の一種「老伴」が届き、伊勢土産として私は得心できましたし、賞味した未花ちゃん一家の評判も上々でした。

 「羊羹」と「最中」を組み合わせたお菓子であり、見かけは決して良くない(?)けれど、「(湿気のある)餡子の入った『最中』よりも、(羊羹と組み合わせた)この方が」と、妻も(パリパリした最中を)気に入ったようです。

 老伴の存在を知ったのは、最近訪ねた村山さんの個展、白雲釜の展示会場でのことです。なぜか、村山さんが遷宮を話題に取り上げ、やがてケイタイで「老伴」を造っている柳屋奉善という菓子屋のご主人・岡久司さんを呼び出し、ついには私に代わってもらい、代引きでわが家に送り届けてもらうことになったのです。

 案の定、「老伴」は日持ちがする菓子であり、私は得心です。過日「赤福」が、賞味期限問題で騒がれました。その折に、日持ちしない「赤福」がどうして伊勢土産なのか、と不思議に思っていましたから、老伴の存在を知って得心です。

 400年の歴史を持つ菓子屋のご主人が、430年の歴史がある菓子、とのことでした。江戸時代に神宮奉納相撲でやってきた力士が伊勢土産として江戸の持ち帰り、人気が出たとか。

 ところが、「老伴」にも賞味期限が記されており、なんと1か月に限ると付されていたのです。私は小学生の修学旅行の折に「ショウガ板」を買ったけれど、「ショウガ板」には今、どのような賞味期限がついているのだろうか、と思いました。要は、わが国の法律のあり方に改めて疑問を抱かされた次第です。

 ちなみに、この存在を知った日は、網田さんに特製のスダレを届けてもらっていたのですが、この「老伴」と「骨壺」に興味を惹かれて話が弾み、帰宅が遅れ、会えていません。

 今週は、その折のスダレが収まるべきところに収まった週にもなっています。また、妻は「骨壺」として私が見立てた「蓋のある壺」を買わせてくれることにもなりました。それは、「この壺を主にした形」の葬儀にも賛成してくれたことを意味しています。

 

「老伴」

 「羊羹」と「最中」を組み合わせたお菓子

スダレが収まるべきところに収まった