つくづく「歳」を思い知らされました
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もちろん庭仕事やキノコ博士夫妻とか網田さんの他にも来客はありました。外出して相談事にものっています。「ですから」と、言い訳がしたいわけではなく、心底から加齢を自覚する出来ごとがあったのです。まず、歯医者に行ってガックリです。「森さん、予約は昨日でしたよ」との注意でした。 転びました。それは「何とか間に合わさなくては」との焦る思いが原因です。わずか1.5cm程の出っ張りに躓き、バッタリ倒れ、左手と右ひざに衝撃です。はやる気持ちが先を行っており、体がついて行けなかったのです。この転び方は初体験。まだ、骨が強かったので助かりました。 なぜ「何とか間に合わせなければ」と焦ったのか。それも物忘れが原因です。野小屋の竹のランタンにかえて「古風な乳白色のガラスの傘」を、と考えたのですが、それが見当たらなかったのです。長い間おいてあったワークルームを探しましたが、どこにもない。「そうだ、割ってはいけないと思って」どこかに仕舞い込んだ、と思い出しました。ところが、その仕舞い込んだところが分からず、妻まで煩わせました。どこにもない。 もし今「仕舞い込むとすればどこに入れるだろうか」と考えました。そうだ「電球などの収納棚の中だ」と思って探りましたが、ない。上から落ちてくるものが何もない「玄関の下駄箱の上ではないか」と思いましたが、ない。途方にくれました。この捜索は木曜日までのことです。 もちろん捜索にかかりっきりになったわけではありません。「思わぬところから出てくるかもしれない」と期待してさまざまな作業に取り組みながら、「ひょっとすれば」と思いついたところを探り、がっかりすることを繰り返していたのです。 なんと、ワークルームのスチール机の引き出し、彫刻刀を入れている底の浅い引き出しの中にしまい込んでいました。この発見は、彫刻刀が必要になったおかげです。野小屋で、竹のランタンのあとに「ガラスの傘」を付ける作業をしましたが、彫刻刀が必要になった次第です。 問題は、これで終わらなかったことです。「ガラスの傘」につけ替えるについて、より「カッコウよさ」を求めたことが原因で、持ち歩いていたガラスの傘をどこかに置き忘れてしまったのです。それがついに、夜分まで出て来ずじまいになりました。 結局、網田さんには、柿渋を3度塗りしただけの竹のランタンを見てもらえただけで、「ガラスの傘」につけ替えた野小屋は見てもらえませんでした。次週に持ち越しです。 |
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