小さな事件

 

 お客さんの1人が喫茶店のトイレを使い、用を足たし後で、内側から自分で閉じた「カギが開かない」といって混乱した小事件です。開店来初めてのことです。

 ガタガタ、ドンドンいう扉の音で誰しもが気付きました。乙佳さんが居合わせてもらったおかげで、妻は「プロが来ています」と言って(自らの心も)落ち着かせ、乙佳さんと2人で外から開け方を言葉で(閉じた逆のことをするように)説明し、誘導したけれどらちがあかない。

 次の手を打つ方策を探っている間に、この人は自力で無事に出ることができた。問題はその後です。75〜6歳のその男性客には若い女性の連れがいた。しかし、その連れは「知らぬ顔」で押し通していたことです。そして、当のお客さんは、その連れに「ここのカギは古い」のではないか、「錆びて」いるのではないか、と話すだけで、他の来店客への配慮を一切払ってもらえなかった。

 その後にも問題がありました。こちら側に残った課題です。2重扉式トイレですが、問題を起こした外側のカギを取り外してしまう案が出て、その是非が問われたことです。つまりトイレ内の(便座式便器の)小部屋のカギだけでよいのではないか、との意見です。

 私は第3案を考えました。開店来27年、年1万人ほどの来店者と見て30万人、そのうちの20%が用いたとしても6万人だけでなく、この小事件後も100人以上の方がお使いったが問題なし。そこで、外扉のカギは、いざという時は外からも開けられる様式に変更です。