未花一家との朝食時の会話
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未花一家を迎え、昼間は、この夫婦には落ち葉かきを、息子にはニラ採りだけでなく、ヤーコンとコイモ掘り、グミの木を切り取りながら、それも燃やしてしまう焚火で焼き芋つくりなどを手伝ってもらいました。 囲炉裏場は剪定クズなどが山のようになっていました。ですから、「どうして焚火の周りの木や葉を、急いでかき寄せて先の燃やすのだろうか」などといった質問攻めにしながら手伝わせたのです。それは、前週土曜日に清太と藍華に手伝わせた時と同じことです。 そして夕刻には、息子が採ったニラで、父親に餃子つくりなどの台所仕事も手伝ってもらっています。 朝食時に、妻はまるで母親(が孫育て中の娘を叱る)かのように未花ちゃんに説教をしました。それも立派だと思いましたが、それ以上に未花ちゃんはもっと立派で、説教をした妻も学んでいたに違いない、とほほえましく思いました。 実は未花ちゃんは、妻に勧められるままに、息子を連れて先に風呂を使い、やすみました。これは他の来客でも同様ですから何ら問題はありません。問題はその後でした。 妻が使う段になりました。私は、風呂蓋を妻が開ける頃合いを見計らい、「追い炊き、しようか」と問いかけに行きました。「できません」との返事でした。 湯船の湯が減りすぎており(循環式小型湯沸かしボイラーの片方のパイプ口が湯から露出しており)空焚きなるか、そこまで水を足すと沸かし直すほどの時間を要します。 ですから妻は、未花ちゃんに、後で使う人のことを考えておくように注意を促したわけです。 もちろん未花ちゃんにも言い分があったことでしょう。きっと髪の毛を洗ったに違いありません。その折に、シャワーを使わずに湯船の湯を使ったのでしょう。私や夫が使った後の湯です。この点は妻も気づいていたに違いありません。 わが家の風呂は、シャワーを使う来客のためにガス給湯器を付けており、その湯で(いざという時のために)風呂も満たせるようになっています。しかし、未花ちゃんはシャワーを使わずに、湯船の湯で洗ったのでしょう。私は自宅の風呂でシャワーを使ったことがありません。未花ちゃんは「キットそうに違いない」と見てとっていたのでしょう。 なぜなら、私は未花ちゃんも連れて「アメリカ旅行」をしています。大垣時代の話ですが、大垣市女性アカデミーの講師を5年にわたって引き受けており、修学旅行として5回引率旅行をしています。その一回に未花ちゃんを、他の一回に未花ちゃんの母親を引率しています。しかも、アカデミーのテーマは持続性が望めるクオリティライフでしたから、私の癖や、いわんや考え方や想いはバレテイルのです。 それにしても湯を、湯水のように(つまり一昔前の、ミネラルウォターなどが売り出される前の、日本人のように)「使い過ぎだ」と思われるほど使っていました。 それはともかく、未花ちゃんは一切抗弁することなく、うなずいていました。その姿を息子がじっと眺めていました。良い眺めだなあ、と私は思いました。 近年、未花ちゃんは母親を失っていますが、きっとその母親(は、かつて妻の人形教室に通っていたことがあります)も、時々未花ちゃんを息子の前で叱っていたことでしょう。 母親が、舅や姑などに叱られている姿を幼少期に見た子どもと、母親が叱られたりする姿を見たことがない子どもとの間には、成長した時に(人格形成上で)かなり大きな差異が生じるに違いない、と私は観ています。 ですから、私も口を添えました。わが家では、電気や水道などの使用量がとても少ないはずですが、それは、私の使用量が極端に少ないので、連鎖反応が生じているに違いないからです。それには訳がありますから、そのわけを話したのです。 1960年代後半に、イギリスやフランスなど西欧諸国に出張するようになり、国際ホテルではなく、地元の人が主に泊まるホテル、つまり安いホテルで泊まるようになりましたが、その折の体験が役にたっています。あるいは、インドネシアの未開の島で過ごした経験。ラオスやベトナムなどでバックパッカーが投宿するいわば木賃宿を渡り歩いた経験。あるいは渇水で窮するジンバブエの郊外に足を踏み入れた体験など、に感化された結果の話です。 資源大国であるアメリカ、そのアメリカを先住民から横取りし、好き放題になりがちになった入植者のまねのようなことを、資源小国の日本人がしてよいはずがありません。解放奴隷かのごとく馬鹿にされるだけだ、と骨身にしみる想いをさせられる旅を私は体験できたのです。 その貴重な体験者として、それらの思いに誘なわれたクセを、水で言えば湯水のようには使い難いクセを話ましたのです。もちろん、水が豊かな地域で、今も湯水のように使うことが循環の一環であり、豊かな自然現象であると知った折は、喜んで甘えます。 ですから私は、温泉が好きだし、大浴場があるホテルや宿の方が気楽に泊まれます。 |
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父親に餃子つくりなどの台所仕事も手伝ってもらっています |
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