許しがたい現実
 

 

 今は大学教授としての秋山先生ですが、わが国初の宇宙飛行士としての顔もお持ちです。同じ釜の飯を食った仲、はロシア人にも通じるようで、ロシア人宇宙飛行士仲間の招きでロシアを訪れ、厳密な放射能汚染検査を受ける機会に恵まれたそうです。その数値から推測すると、福島原発事故によってかなり深刻な放射能汚染にさいなまれているはずの人が大勢存在している計算になるそうです。

 311の放射能による健康障害が露わになるころは、いったいどのような世の中になっているのでしょうか。安倍さんは今、様々なデーターを隠ぺいすることに躍起ですが、原子力関係の情報は最高機密に位置付けられ、その範疇に放射能汚染も含められかねません。むしろそれが機密法を急いだ大きな理由の1つではないでしょうか。

 心ひそかに、次のような私は下司の勘繰りをしてしまいました。

 天文学的な賠償金は、しょせんは公的資金がつかわれるでしょう。そうではなくて、いずれは原子力ムラが画策していたことが露わになり、そこで流れた金が問題になうことが恐れられているのではないでしょうか。そもそも原発は、原爆を視野に入れた開発や推進でしたから、ほじくられたくない軍事機密的なことが多々あるに違いありません。

 その苦労(国民のためを思った秘密)は、時がたてば公開し、国民に「そうであったのか」とねぎらってもらいたくなるのが人情でしょう。

 そうではなくて、それとこれとを味噌クソにして、問題は、それをいいことにして、莫大な国の金を、国民に知られたくない動かし方で用いていたのではないでしょうか。

 それはともかく、秋山先生は、福島ではシイタケ栽培農家としての顔も確定しておられたが、原発事故によってその生活空間を失ってしまった。しかし、その生活空間に対する固定資産税の支払いを迫られ、支払っている、とのこと。にもかかわらず、放射能汚染による保障問題は進んでいない。

 それは、現地で今も、諾々と住み続けている人がいることが利用されているようです。文句を言わずにあなたも住み続ければよいことでしょう、とばかりに生かされているのではないか。

 秋山先生は、教授は一時の姿であって、ジャーナリストであり、宇宙飛行経験者であり、農業体験者であり、しかも原発被災者でもあるわけでしょう。こうした立場からの元気な発言を期待しながら、短い来訪時間を惜しみながら、次回に期待しました。