原発問題

 

 東京都知事選が面白くなりました。この度、エイモリ―ロビンスさんの意見を新聞で知りました。私は1995年と1996年のアメリカ取材で、エイモリ―ロビンスさんの意見を聴いたり、幾度か食事も共にしたりする幸運に恵まれているだけに、溜飲を下げています。

 かつて東京都民が、石原慎太郎さんを再選し、その後継者として猪瀬直樹さんを選んだ時に、私はがっかりしています。このたび、教育評論家の尾木直樹さんが同じような見方されていたことを知って、安堵しました。今度は、都民は誰を選ぶのでしょうか。

 多摩大学大学院教授(元内閣官房参与)の田坂広志さんは、核廃棄物を処理するための受け入れ先について、原発で作られた電力の消費量にスライドして都道府県が引き受けるべき、と主張しておられますが、賛成です。都民は、この覚悟をして選ぶ人を決めるべきでしょう。

 私は、原発電力を使うなら、核廃棄物だけでなく、原発自体の設置を、その電力を使う都道府県が引き受けるのが合理的、と思っています。ですから逆に、原発との決別が、エネルギー問題を考える上での根本である、と考えています。

 かつて私は、稼働し始めたばかりといってよい原発を、廃棄処分し始めた電力会社SMUDを訪れ、その処理問題を技術者からつぶさに学んだことがあります。SMUDは、アメリカ加州の州都民が設立した電力会社でした。自己リスクで設置し、自己責任の下に廃棄を決めていたわけです。

 都民は誰を選ぶのでしょうか。日本の品性が問われている、と思います。