失礼なこと
 

 

 ハッピーの脚は一段と確かになりました。立ち上がることが増え、うろつく範囲が広がりました。新たな問題を感じ始めています。金曜日には、冬休みに入っている喫茶のテラスにまで足を延ばし、階段を降りており、妻を驚かせています。

 問題は、その後です。遠方まで足を延ばせるようになったのですが、当初は行き着いたあたりで(適当に探し当てた?と思われるところで、一夜を過ごそうとしてか)丸くなって寝ていたことです。雨が降ればどうしていたのか、見定めておくべきでしたが、私たちはおせっかいなことをしていました。所定の場所に連れ戻していたのです。

 ところが、火曜日の夜は、「もしや」と思って覗いてみると、「夏の館」に戻っていたのです。かつて畑のキウイ棚のそばにあった元ケンの小屋ですが、ハッピーの「夏の館」として母屋の玄関わきの植え込みの陰に移動させて設置してあったものです

 これまでに、ガスの検針員に吠えかかった時も、この茂みにハッピーは身を潜めていました。その後、一度ですが、妻が驚いていたことがあります。ハッピーが勝手にこの「夏の館」に入って寝ていたことがあったからです。ですから「もしや」と思って私は覗いたわけです。

 妻は出かける前に、ハッピーが金太の側にいること、そして唸り声をあげて(全盲になって初めて)金太を威嚇していること、さらに、このままだと「南門のあたりまでに行きそうです」から、暗くなるまでに連れ戻してやってほしい、と私に依頼していました。

 その後、3度にわたって遠出をした後でハッピーはこの「夏の館」に入って寝ています。以前に、ハッピーの(犬の)オツムではと見下し、あきらめていたことがりますが、なかなかどうして、全盲になれるにしたがって確かの行動をするようになったのです。食欲も旧に復しています。

 ここで反省は、あのまま鎖につないでいたら、との問題です。今頃は、間違いなく寝たきりになっていたことでしょう。課題は、その内にイタズラもし始めるかもしれませんが、どうするか。

 怪我やイタズラをさせないために鎖につないだら、寝込んでしまうでしょう。散歩をシバシバすればよいのですが、そうは行きません。食事を減らして遠出やイタズラをする気力を失くさせる手もあるでしょうが、妻にできる相談ではありません。