予期せぬ見学

 

 喪服用生地・黒染めの老舗、京都紋付を訪れる機会に恵まれました。典型的な不況業種の業界にあって、1人気を吐いている会社です。

 この業界は、40年ほど前は140〜150もの業者(その大部分は個人経営)で成り立っており、年間200万反を染め上げていたそうです。20年前には100業者(うち会社組織6社)へと3分の2に減り、染め上げ反数は100万反と半減でした。

 今や14業者(うち会社組織2社)、3〜4万反となっており、旺年の姿は見る影もありません。京都紋付はその中で元気に生き残っている最右翼の業者です。

 何が違うのか、と興味津々の訪問でした。もちろん社長の荒川徹さんの人柄に感心しましたが、それだけではなく、見学した染色工場の生かし方に「さすが」と思わせられました。

 それは先週訪問した今治の構造的不況産地であるタオル産地で感じたことでもありました。元気に生き残る組織にはそれぞれ固有の優れた点が見出されますが、共通した点もあるようです。、その共通点に気付かされたように感じました。