今週の妻は、ダイコンとルッコラを私がハナナにまで育てたのを活かし、台所に持ち込んで、飾っています。目直に持ち込むと、その微妙な彩に驚かされます。もちろん、これらはテラスを飾った折に収穫したあまりものです。しかも惣菜に用いた残りです。惣菜は炒め物に生かすか、朝漬けにした残りであり、蕾が開きすぎており、この役割を担ったのでしょう。この後は堆肥の山に運ばれ、土に還ります。
今はまだ冬野菜と夏野菜の端境期(の最中)です。限られた(面積の)畑ですから、その切り替えにはいつも悩まされます。できることなら「いつまでも菜の花畑を楽しみたい」のに、なるべく早く耕して夏野菜用の畝に仕立て直し、苗を植えたり種をまいたりしなければいけないからです。しかも、苗を植えたり種をまいたりする前に(仕立て直してから)数日間は畝を寝かせておき、雨にうたせて肥料分と土をならしておく必要があります。
一般的に言えば、農家は(菜種を獲ったり菜の花を販売したりする場合を除いて)畑に菜の花を咲かせておくと、「ズボラをしている」とばかりに、笑われかねません。しかし、わが家は家庭菜園の醍醐味を最大限愉しみたくて、今年も例年の悩みを蒸し返したわけです。
なるべく多くの冬野菜が花を咲かすに任せ、菜の花畑を眺めて楽しみたい。一斉に咲き誇っている黄色いナバナやミブナ、淡い黄色のブロッコリー、白系統の花のルッコラやダイコンの花などのグラデュエーションは見事です。ところが、
花が咲きはじめたばかりの蕾(がまだ多い段階)の菜花を収穫し、浅漬けを造って楽しみたい。私は菜花の浅漬けがとりわけ好物です。もちろん炒めモノにもしますし、お浸しにもします。クセが少ない菜花もあれば、ピリッとする菜花もあります。もちろん甘味がかった菜花があれば、苦味が利いた菜花もあります。それらが調理によって多様に楽しめます。
菜花が咲く時期は、次々とチョウチョやハチが訪れるシーズンです。今週初めにまずモンシロチョウが訪れ、水曜日にキチョウが、そして金曜日にアゲハチョウが訪れていました。
もちろん、種を結ばせて次年度に備えたい。とりわけ十字花植物は簡単に交配しますから、さまざまな(見たことがないような)2世が誕生し、楽しませてくれます。また、きまったように菜種を狙ってやってくる小鳥を眺めるのも楽しいものです。
その上に今年は、キャベツの爆発とダイコンでの大発見があったわけです。
とはいえ、一刻も早く夏野菜の畝に仕立て直さなければいけない事情もあります。次々と引き抜いて堆肥の山を彩り、夏野菜用の畝に仕立て直さなければいけないわけです。にもかかわらず、種を結ばせて、この時期だけ訪れる小鳥についばませたいし、そのこぼれ種が次年度のアイトワ菜を生じさせてくれるわけです。菜の花畑を楽しむ時期は、夏野菜の畝づくりが急がれる頃合いだけに悩みます。
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