未来世代への贈物

 

 オランダは経済的に世界一華やかなりし頃がありましたが、その時に今の国の形を造ったといってよく、末裔たちは花畑の広がる優雅な国で暮らしています。

 わが国は、50年もすればガタがきて刷新しなければならない高速道路や橋梁を作り続けていますが、大丈夫でしょうか。つぶすにつぶせないコンクリートや鉄でできた、そして耐用年数を過ぎた、巨大な造物やゴーストタウンを残そうとしていますが、国を愛せよとの教育を強いるだけで、優雅な暮らしができる国にできるのでしょうか。今のままで大丈夫でしょうか。

 世界中の人が日本人並みの生活をし始めたら、たちまちにして地球はパンクします。そのような生活を護るために攻撃的戦争ができる国にしてよいのでしょうか。心配です。最大の消費で最大の豊かさや幸せを追い求めるような生き方はもはや望めません。
 
 世界中の人が真似たら、地球が次第に復元し、温暖化問題なども解消する生き方に切り替えて見せるべきではないでしょうか。わが国には、江戸時代というモデルがあります。いわば、最小の消費で最大の豊かさや幸せを手に入れていた生き方です。
 
 その生き方を、浮世絵を通して見知った人たちが一つの運動をおこしています。ジャポニスムです。この運動が、大げさに言えば、印象派という芸術を誕生させています。