明範クンを褒めています
 

 


 何か1つ、自分で課題を作らせようと考えました。彼は、かつて私が畑で「ホトケノザ」を抜き去り、その抜いた「ホトケノザ」を新果樹園に移植していたことを思い出したようで、それに取り組む、といいました。

 自分なりに「成し遂げられた」と思ったのでしょうか、「終わりました」と報告に来ました。

 「水もやりましたか」

 「やりました」

 「どこの水ですか」

 そこで答えたのが、新果樹園に一番近いところに最近据えた水鉢の水でした。この水鉢の側に2つの苗木を植えた鉢があります。いざという時に水をやりやすいようにそうしてあったのですが、留守した7日の間に、誰も水を与えた形跡がなかったのです。この間に雨が降ったからよかったものの、すでに水切れになりかけていました。そこで、帰宅翌日、明範クンに「のどが渇いた、と訴えているよ」「植物は声が出せないからね」と指摘し、水をやらせていたのです。

 私は「2つの苗木鉢にもやりましたか」と、問いました。

 「やりました」

 明範クンが、一刻も早く、この水やりが「私の願いだから」ではなく、「声を出せない植物が訴えていたから」と言って、水をやる人になってほしい、と願わずにはおれませんでした。明範クンが5歳までなら、瞬時にしてこの感覚をきっと会得していたことでしょう。