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　過日、「ラガーシャツを着た人」を見かけた時に、私はとても魅力を感じましたから、そばにいた伸幸さんの奥さんにその旨を漏らしました。帰宅後、その旨を妻に語り、こっぴどく叱られました。案の定、誕生日に横縞殻のポロシャツが届いたのです。

　きっと伸幸さんは、「これはラガーシャツじゃない」と見て取り、奥さんに指摘するとともに、品定めに入ったのでしょう。なんと、NZカンタベリーのシャツでした。

　NZと言えば、義兄弟と思いあっているレイさんが住まう国です。NZのラグビーチームはとても強くて、そのメンバーの多くはレイさんと同じマウリ族の人が多い。

　妻にまた、よりこっぴどく叱られるのではないかと思ったのですが、「似合いそうね」と言ってくれ、調子づいて着込むと、写真にとってくれました。かくして4倍の嬉しさに浸れたのです。その4番目の理由は、情けない話で、夢がかなわなかったことです。

　私はラグビーにとても興味があったのですが、肺浸潤に苛まれており、それを隠しながら高校生活を送っていたのです。