豆腐屋

 舞鶴さんが新聞記事か何かで見つけた小さな豆腐屋に立ち寄り、そこが造っている特殊な豆腐を買い求めることになりました。

 その入り口の側には小さな棚があり、蓋つきのコップのようなプラスチック容器がならんでいました。形は似ていますが、色はまちまちで、一つ一つに名前と思しき文字が手書きされていました。後藤さんが、「散歩の途中で立ちより、飲んでいくのでしょう」と教えてくれました。

 後藤さんんの呼びかけに応えて主人と思われる人が奥から小走りで出て来ましたので「写真を撮らせてもらってよろしいか」と問いかけると、「ワシを!」と返ってきました。

 その後いろいろなことを学びました。用いている大豆は、ただの国産大豆ではなく、特定の産地の大豆であること。その豆で作った豆乳とニガリだけで造っていること、など。まさに職人でした。こうした豆腐屋で、顔の見える豆腐を食したいものだ、と思いました。
 

小さな豆腐屋

名前と思しき文字が手書きされていました


「ワシを!」