終日の時間割

 

 4時に起床。PCの電源を入れてから洗面。1日の始まり。快晴。結局、普段とたいして変わらない1日になったが、

 独自流洗面法が気持ちがよい時期になった。コオロギなど秋虫がさえずっている。前夜、妻が私の脚を揉みながら歌った「あれマツムシが鳴いている」を思い出す。そして、「ようし」と己に言い聞かせたことがある。起床時に行ういわばお返しのための時間待ちだ。

 洗面後すぐさまPCの前に座る。まずメールを開き、次いでパワーポインの資料修正作業。

 5時半ごろから夜が白む。

 5:45から、よおら妻のマッサージを始めた。目を覚まさせるが、良き寝直しをさせたい。50分からさえずりはじめた小鳥の声に耳を傾けながら、「いつまで続けられるかナ」と考える。

 6時、畑に出た。トンネル栽培のレースカーテンを外す。前日、第2次アイトワ菜の畝で、朝日の大切さ(チュウゴクホウセンカの影になった菜が貧相であった)を知って思い知らされた。

 6:15から再びPC。前日分の週記のためのメモ。

 7時からキンギョやメダカの餌やり。そして育苗中(温室の鉢とポットで)の苗に水やり。妻が朝食用野菜の収穫に出てきて「夜露が降ったのですネ」。ぼつぼつ鉢で育てているチマサンチェの苗を畑におろし、混合レタスの苗はポットを代えて1本育てにする時期になっている。

 7:30から「花子とアン」を観ながら朝食。

 朝食後、妻は恒例の散歩に出る。

 8:30から三度目のPC。

 9時から野菜の畝と鉢植え植物に水やり。その水は、まず雨水甕の底の方に残っていた分で、空にする。この折に、小さなアマガエルを見かけた。次いで、居間の周辺にある5つの水鉢を順次水替えをし、ジョウロに汲み、一輪車で畑まで運ぶ。3往復。

 10:10、散歩から帰宅した妻はオヤツ(散歩でもらったというソバクッキー)の世話を焼いた後、人形工房へ。その道中で「カメラをもって!」と妻が叫ぶ。駆けつけると初見のカメムシ。その後、私は書斎に移動、資料と本棚の整理。不要物(OHP用の用紙など)を処分。その時にポロリと落ちた1枚の写真があった。捨てられずに残した思い出いっぱいの写真だ。

 12:40から昼食。「温かいのと冷たいの」と、いずれにするかと問われ、いずれでも「君の好きな方」と答えると、庭のミョウガとタマネギを薬味にしたそうめんに。

 昼食後、妻は人形工房。私は再び書斎。

 15:00、庭に出る。2度目のキンギョなどの餌やりの後、3つのミニダム(豪雨時の水抜き用)の型枠を外し、仕上げる。温室でロッコウサクラソウの土替えに手を付ける。

 16時半ごろ、午後のオヤツ。この後、妻は畑で新作人形の写真撮影を始める。それまでは人形工房に(午前のオヤツの世話と昼食時を除き)こもっていた。

 17時、離れの壁面緑化のツタの名残(この春に枯らすことに決め、うまく枯れたが、出窓の庇に枯れたツルが絡まりついたままになっていた)を取り除く。2段式スライドはしごを持ち出していると、妻に見つかり、ハシゴが倒れないように両手で支えてくれた。

 ツタにハチの巣(と思われる)がついていたが、すでに放棄されたもの。笠つきの面白い構造。アシナガバチより小型のハチと思われるが、造営途中で放棄されたものかもしれない、とも考える。ちなみに、枯れツタの残渣を妻は「残しておいて」ほしい、と言う。人形を撮影する小道具として活かしたいようだ。

 17:40から液肥やり。切り返したナスビ7本と万願寺トウガラシ7本に各バケツ1杯分。ネギの畝、井戸枠花壇のローズマリー(挿し芽で増やした)、そして柑橘類の若木4本(ミカン3本とレモン1本)に、それぞれ1杯分ずつ。この最中に小倉池からカリが鳴きながらねぐらに返っていった。

 18時過ぎに居間に引き上げ、夕食を待ちながらテーブルの上(には新聞、読みかけの冊子、郵便物、さまざまな度数の老眼鏡や筆記用具などが散らかっている)を点検し、仕訳(記録するために書斎に持ち込む分、返信を要する分、あるいは廃棄)をする。その上で、キンギョの餌を小分け容器に詰める、など。

 18:45、TVを入れ、台風を点検。ほどなく妻が工房から引き揚げてきて夕飯の準備。

 19:30からTVをつけたまま夕食。

 この後、私はこの日5度目のPC(スピーチ用パワーポイントの添削)。妻は風呂の用意(残り湯で洗濯しながら風呂舟の掃除し、天水の蛇口を開く)をした上で、人形工房に。「20分後に、湯が張れそうです」と言い残した。

 20時。「焚かずとも(天水の湯だけで)入れそうだ」と、妻に内線。「風呂を先に(人形創作に没頭する前に)つかってはどうか」との提案。妻は合意。その後、私の寝酒を用意したうえで改めて工房へ、私は読書。「正気とは何か」がテーマ。

 2時間ほどで妻は切り上げてきたが、私はまだ寝酒(ラム)に口を着けていなかった。そこで、いつものごとく駄弁。妻は、昼間近所で見かけったことを思い出したようで、「孝之さんなら」どのような発言するだろうか、と考えたらしい。

 詳しく聞いてみると、私と同年配と思われるご夫婦の夫人が何かにつまずいたようだ。倒れたことから始まったエピソード。ご主人が側に駆け寄り、語りかけた。

 「ごめんね。転ばせてしまったネ。ボクが近くにいたらよかったのに」

 「ごめんね。ボクがもっと近くにいたら転ばさせずにすんだのに」

 「ボクが腕を支えていたら転ばせずにすんだのに、ごめんね」

 と、続いたようだ。そうとは知らず、私は次のように答えてしまった。

 「『バカだなア』とは言わないまでも、『気をつけろ』と、言うだろうナ」

 「そう思った。でも、そのご主人は」と、先の様子を話してくれた。そこで、

 「君も、そのご主人のようなことを言ってほしいのか」と問いただすと、

 「ちょっと言い過ぎネ」

 TVでは、ベルリンやNKなどで気候変動に関する大デモ。それは再生エネルギー開発のさらなる推進を叫んでいた。

 かくしてこの1日は終わり。23時半ごろ、妻に脚を揉んでもらいながら就寝。

 実は翌日も似た1日だった。電話の相手と用件が異なっていたり、庭仕事の中身が少し(前日分が危険であったとすれば、翌日分は面倒であった程度で)異なっていたり、寝酒がラムから清酒に変えたりしたぐらいで大差なく、心が誘うままに過ごしている。

 秋のカフェテラスを飾るロッコウサクラソウの鉢植えを仕立て直しも面倒だったが、チマサンチェのポット仕立てはもっと面倒だった。それだけに、この秋最初の青菜の煮物が嬉しかったし、庭や屋内で異なる小動物と次々と出あえたのが楽しかった。

 大きく違ったことは、夜半から雨が降り出したこと。
 

チュウゴクホウセンカの影になった菜が貧相であった

混合レタスの苗はポットを代えて1本育てに

小さなアマガエルを見かけた

初見のカメムシ

3つのミニダムの型枠を外し、仕上げる

出窓の庇に枯れたツルが絡まりついたままに

妻は畑で新作人形の写真撮影を始める

取り除く

笠つきの面白い構造

笠つきの面白い構造

枯れツタの残渣

ロッコウサクラソウの鉢植えを仕立て直し