やっと終え

 

 このところ週記に随分時間を割いている。それは記憶と記録の違いを多々痛感させられた体験に基づいており、後日読み直せるようにしておきたいからだ。もちろんその上に、私たち日本人は、またぞろ時代の波に翻弄されかけており、記憶と記録を大きく乖離させかねない状況に追い込まれている、と感じているからだ。

 余談だが、その乖離への無頓着さが今日に見る日独の差異を生じさせたのではないか。たとえばドイツは、近隣国と一体し、リーダーシップの発揮を期待されている。たとえばメルケルは、毎年中国を訪れているが、その間に日本には2度しか来ていない、など。

 半藤一利は(新聞の広告欄で見た10/9付け)週刊文春で、「朝日新聞バッシングに感じる『戦争前夜』」という見出しを用いたが、「さすが」と思った。『戦争前夜』とは、日本が歴史を読み間違った(世界は植民地時代の終焉を察知していたのに、わが国は植民地政策に躍起になった)時期の事であり、その時期の雰囲気に今の日本は似てきたのだろう。

 先週も、私なりに記憶違いをしないように、と書き留めておきたかったことが多々あった。

 今週は、アベノミクスの失敗が露わになった。円安が日本をジワジワと蝕み始め、まず庶民の財布を窮地に追い込み始めている。さて私は、安倍晋三がインフレと円安誘導を始めた頃に、円泰誘導をどう見ていたのか、これから反省したい。円安誘導を売国行為と見ることができていたか否か。