時代を先取りするか、後追いになるか、で人生の彩は変わるのではないか。問題はもう1つある。それは、誤った指導者に翻弄されないような人生になりかねない。
記憶に新しいところでは、日本が始めた大東亜戦争だ。それは第2次世界大戦に与したことだが、悲喜劇を多々生じさせたように思われる。もちろん、源平合戦(日の本を2分した)でも生じていたことだろう。何が好ましき時代の先取りか、慎重を期す要がありそうだ。
なぜなら、今やまさに、第3次世界大戦がたけなわになりつつある、と私の目には映っているからだ。それは経済戦争であり、経済戦争を手段にした地球の保全を懸けた戦争である。その緒戦で、わが国は(たとえば捕鯨問題などで)シクジリ続けている。
大東亜戦争では、日本は歴史の流れに逆行し、国をあげて植民地政策に狂奔した。結果としていったん廃土にしてしまったが、骨身にしみていないように見受けられる。
奇妙なことだが、日本では、敗戦に導いた職業軍人は今も手厚く扱われているが、満州などに国策移民として送り出された人や、学徒動員に刈り出された人は、その犠牲者数さえ未だに特定されていない。いわんや、外国の辛酸を舐めさせた人たちには報いていないと責められている。
今週のビッグニュースは、ドイツが先導し、温室ガス削減に(EUとして)大きな一歩を(2030年に1990年比40%減に)踏み出そうとしていることだ。わが国は、出遅れている。だから、わが国はまたぞろ第3次世界大戦で時代錯誤なことをして後塵を拝しかねない。
元来、わが国は(江戸時代という循環型社会を形成せざるをえない試練を経ており)環境破壊や資源枯渇問題などでは優等生だった。だが、明治維新後、欧米が進める工業化に踏み出してしまい、狂ってしまった。そして(植民地政策で犯したような失敗の)二の舞を演じつつある。
大企業は、その尻馬(温室ガス削減に消極的な政党)に乗って鞭を入れようとして(政治献金を復活させて)いるが、国民もその尻馬に真面目に乗っていてよいのだろうか。
余談だが、拉致問題も心配だ。かつて5人の拉致被害者が帰国したが、その折に重大な問題を生じさせていたことを最近になって知った。5人をいったん北に還すべきだとの意見を無視し、安倍さんが還させなかった、という。還しておれば、どうなっていたか。
還さなかったことが、安倍さんの足元を見透かされやすいパフォーマンスが、とても高くつく問題にしてしまうのではないか、と心配だ。
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