日曜日はとても気分よく目覚めることができた。2人の女子大生(前夜から泊まった佛教大生)も、寝坊をせずに起き出したので、明るい挨拶を交せた。商社時代の早婚の仲間は、こうした孫を持っているのではないか、とうらやましく思った。
当日は、橋本夫妻の車に、ビル・トッテンさんと同乗し、志賀郷を訪ねる予定だった。志賀郷のある綾部が、この2人の女子大生の親元でもあると、前夜の会話で知り、なぜか偶然の一致とは思えず、それだけでウキウキした。
志賀郷を訪ねる道中(にある園部)には、宙八夫妻が「終の棲家」として探し当てた物件があり、またその近辺では、ある展示会が開催中とか、その2カ所に立ち寄ることにしていた。ところが、志賀郷への到着時間を4時間も早めなくてはならなくなったわけだ。
まず、宙八さんに電話を入れた。プログラムの前後を入れ替えうるか否かを確かめたかった。結果、入れ替えることによって3時間近くを稼げることになった。次いでトッテンさんに電話を入れた。ウサギ小屋の掃除中であり、その後で、餌やりとシャワーを浴びる必要がある。
私は、2人の女子大生の手助けを得たり、エンドウマメの支柱立てを翌週に回したりすることにした。さらに、この日は、宙八夫妻はまずトッテンさん(宙八夫妻の仮住まいはトッテン宅の近くにある)をピックアップし、次いでわが家を訪ねてもらうことになっていた。そこで、私がその道中まで出ておき、車を待ち受けることによって10分ばかりを稼ぐことにした。
それよりもなによりも、トッテンさんにはウサギ小屋の掃除と餌やり、そしてシャワーを急いでもらえたのだろう。宙八さんには運転と道順を工夫してもらえたようだ。
志賀郷にはとても早くたどり着けたし、道中の会話は途切れることがなかった。ただそれだけで幸せな気分になった。志賀郷で振る舞われた酒と肴もよかったし、スズメバチ親子の相互依存関係など楽しい話しも聞けた。スズメバチの胴体はとても細いが、その食道は細い胴体を通っており、子どもに餌を砕いてもらわないと通らない、と聞いた。
宙八夫妻の「終の棲家」は、私は前回(の志賀郷のホタルを観る会で)も訪れていたが、トッテンさんは初めてだった。改装に手を付けたその古民家を見るのは私も初めてで、楽しかった。何よりも、前回は草や木立がボウボウで、庭を見通せなかったが、見渡せた。
内外装関係の展示会(園部城跡)も楽しかった。見事な一枚板にも、多様なストーブにも、あるいは(なぜか展示されていた)蟇股(かえるまた)にも心を惹かれた。こうした板などを活かせる住まいが瞼に浮かんだ。
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