長女の結さん

 

 この姉妹は自然が大好きだと、その取り組み方からすぐに分かる。前夜、妻はリンゴをデザートに選んだが、その皮をむかせた。大きな包丁を手にして、すぐに要領を呑み込んだ。もちろんその間に、危なかしく思った私は、妻に代わるように勧めた。その時に父親は、すかさず「やらしておいてください」と制止した。「わが家では、幼児の時から彫刻刀も本物を用いさせています」と、つないだ。

 その動きを観ていると、この姉妹は日毎に「小さな大人」になっている。両親はそれが、自分たちより長く生きる子どもへの最大の贈物と見ているのだろう。
 


取り組み方からすぐに分かる

すぐに要領を呑み込んだ