よき教育実習
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シイタケのホタギ作りは、電動ドリルを用いたが、1人の女子学生が、作業の最中に、電動機械の不調を訴えてきた。その言葉を聴いて、即座に私はよき教育実習の機会到来、と喜んでいる。 彼女は「機械の調子が悪くなりました」と、いったような訴え方をした。そこで、現場に一緒に向かいながら、彼女に次のように念を押した。あなたは「機械の調子を悪くさせてしまいました、だろう」と切り返したわけだ。彼女は素直に「そうです」と返事した。ここに、こうした手伝いに来る学生は、とても率直で気持ちがよい。 そこで、「機械が勝手に悪くなったのではなく、使っていたあなたが、調子を悪くさせたのだろう」と念を押した。 ここにきてくれる学生には、私はすくすくと育ってもらいたい。意志強く、主体性に富んだ人生に仕立てあげてもらいたい。そうした人になるために、ここで失敗を繰り返しながら、学習してもらいたい。 この日は、2人の男子学生に、大きな2つの石で特殊は階段作りもしてもらったが、スコップをテコの応用に活かす用い方を教えた。一歩間違えば、スコップをダメにしてしまう。そのほど加減は教えない。体得してもらいたい。 だから、この日は、一昨年度のリーダーが、そのほど加減を間違って歪めてしまったスコップを用いて、私は最後のダイコンの畝跡を仕立て直している。そして、「このスコップは、誰にも使わせない。君たちの先輩が歪めたものだから、私にとってはとても大事なシロモノだ。お金では買えない」と説明した。 今回の昼食やお茶の時間では、「作る」「造る」そして「創る」も話題にした。まず、「作る」を大事にした私生活を勧めた。おにぎりを自分で作って持って来ていた人がいた。弁当を母親に「造ってもらって」持ってきていた人もいた。それらも教材にして、「創る」を目ざしては、と勧めた。うまい具合に、この日の私の昼食は、庭で自生のミツバとフキを活かした巻きずしだった。一切れずつだったが、学生にお裾分けした。 |
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歪めてしまったスコップ |