災い転じて福となす

 

 時は良し。ネギの手入れをする時期だ。ネギ(このたびは、わが家は「ヒコバエ」を用いることにした)を抜き取り、干し上げた上で、苗にするが、丈夫そうな分は青葉を切り取り、食用として活かすことにした。

 つまり、「ヒコバエ」のネギを一度に抜いてしまわずに、時期をずらして抜いてゆき、食べられそうな青葉を食用に活かすことにした。

 もうすぐナズの「切り返し」をする時期になっていた。そこで、これも時は良し、と考えることにした。「今年は例年より随分早く、切り返すことができた」と思うことにした。それだけ早くナスの木は再生し、軟らかいナスを提供してくれるのではないか、との計算だ。問題は、それだけ早くナスの木が弱り、シーズンが早く終わらないとも限らない。そこで(留守中に、妻に2本のナス苗を植えておいてもらったが、またかなり大きく育っていたが、2本ともサルに抜き捨てられていた)やむなくナスの苗を2本買い求め、植えることにした。

 もちろん、例年より「シュクコンソバ」の葉を多用することにした。それは、これ以上シュクコンソバが自然繁殖しないように制御する策でもある。

 また、ツルムラサキ、モロヘイヤ、あるいはハナオクラなどの収穫も始まる時期が近付いた。かくして夏野菜を切れ目なくつなぎ、痛めつけられたキュウリ、トマト、そしてナスの再生を楽しみにして待つことにした。

 幸運だった。今年はレタスを過剰に育てたが、キュウリやトマトなどを痛めつけられたために、その不足分を薹が立ったレタスの葉をかきとって活かすだけでなく、薹が立った軸までも活かすことを覚えた。初めて知った美味を楽しんでいる。

 また、今年はタマネギが例年よりたくさん採れた。これも幸運だった。先週の雨の金曜日に、不作だったニンニクと共に保存作業を済ませておいてヨカッタ

 ちなみに、ナスの切り返しとは、木の根元から2フシほどのところから先を切り取り、切り取った木に新たな芽を吹かせ、再生させる作業だ。普通は、初秋ごろにする作業だが、今年は梅雨時のことになった。

 実は、今年はなぜか、台風の影響が去り、陽が射した土曜日の午後に、例年よりずいぶん早くナスの畝に大量の有機肥料(発酵鶏糞、油粕、そして灰)をまいていた。おもえばこれは、いつも切り返しの時期に行う作業であった。

 

ニンニクと共に保存作業を済ませておいてヨカッタ

ナスの切り返し