「熱中症」

 

 本当に「こまめに水を飲む」ことが熱中症対策か、と気になる。私が高校生時代までは、マラソンでヘトヘトになり、喉がカラカラになっても、「水を飲むな」と指導された。「死んでしまう」とおどされた。

 それはともかく、「こまめに水を飲む」ことが、本当に熱中症対策か。

 半断食道場では、飲む水も制限される。もちろん、個人差によって、たとえば心臓疾患の私は「梅塩番茶」を1杯、高血圧の人は「シイタケの戻し汁」を1杯などと補給される。

 このたびのピレネーでは、2310mの山を(標高1300mから)登ったが、その時に1個のアンズを特別に食べさせてもらったが、一切水を飲まずに夏山を登っている。この山登りはプログラムが始まってから5日目のことで、体重は4kgほど減っていた。

 むしろ、食事と水の適切な制限をしながら、10kmほどのロードワークを4日間続けたから無事に登れたのだと思う。翌朝はそれ以前より元気になれたように思うし、帰宅後には塾生や妻に「若返った」とおだてられもした。

 このところの暑さは尋常ではない。胃袋や腸が発汗しているのではないか、と思われるほどだ。わが家の冷房がない居宅の昼間はとても暑い。その間は、昼寝や読書で過ごし、その前の朝飯前と、後の夕飯前に庭に出ている。朝飯前は、コップ1杯の水を飲むだけで過ごし、シャツ、パンツ、あるいは半ズボンを汗でズブ濡れにする。夕飯前は、4時のおやつと、6時頃にコップ1杯の水でのどを潤す程度で過ごし、また、着ているものをすべて汗でズブ濡れにする。その都度、行水をする。まず、風呂柄杓で3杯ほど頭に水をかけ、その水を洗面器に受け、その水で体の汗をおとす。

 この水曜日には、1日で体重を3kgも減らしながら、むしろ気力を充実しておりニンマリしている。そこで気分よくビールをあおる。かくして土曜日の朝を迎えた。快調だ。

 もちろん水の補給は大事と思うが、本当に「こまめに」が正解なのか。「こまめに」に補給する癖を体に覚えさせたら、体はむしろ不健康になるのではないか。少なくとも、ちょっとした断水で、心がニック状態にされる人になるのではないか。心配だ。