妻とぶつかっています
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一度妻が、ヒヨに侵入された、と悔しそうに語っていました。この度は私が見つけ、捕まえて「焼き鳥にしてやる」と息巻きながらもどり、丈夫な網を取りだして飛び出そうとしました。すると、妻が憤然と反対意見を述べたのです。「私は料理をしませんヨ」でなかったのです。そうであれば「私がする」と返していたことでしょう。 「どうしてですか。私たちにはたっぷり食べ物があるのに。ヒヨさんにはエサがないから忍び込んだのでしょう」と、私の論理を超えた意見でした。いや、もっとはっきり言えば、無責任で、情緒的な意見でした。でもこの意味するところをはっきり言うと、逆に「人でなし」と、まだ言われかねない社会です。妻にまで、そう見られかねない、と恐れました。「三匹目のネコ」になれ、と叫びたい気持ちを抑え、網を置きました。 その日の午後のことです。「ホレホレ」と何かに呼び掛ける妻の声が聞えました。見ると、妻が居間の前の踏み石で、何かと語り合っていました。 忙しい時期であるはずなのに、随分呑気なこと、と思い、ついに覗きに行きました。今年生まれたばかりのカナヘビと遊んでいました。3時間ほど前の、息巻いていた気分はすっかりなえてしまっていました。、 |
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