ありがとう
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雨で灰を濡らしたくなかった。なにせ向こう何カ月もかけて焚火を重ね、溜めてきた灰だ。だから「ありがとう」と言って、雨除けのカバーを無煙炭化器焚に被せに走った。 焚火をした直後に、灰を濡らさないように雨除けカバーを掛けるわけにはゆかない。それが無煙炭化器たるゆえんだ。焚き火の後で、すぐに水をかければ、炭が取れるように工夫した道具だ。ということは、この道具の底には燃やしたものが炭化しただけの状態で、つまり火が付いた炭の状態で残っている。その火が付いた炭が、灰になり切るのを待たず、カバーをかけると、カバーを発火させかねない。 私の場合は、炭をとるためではなく、より安全に焚火をして、灰を取ろうとしている。だから火がついた炭が燃えつきて灰になるまで待たなければならない。その間は、ひたすら雨が降らないことを祈るしかない。この度は、梅雨のような天候が続き、とても心配だった。夜の間に雨が降らないことを祈りながら「明朝まで待つことにするか」になった。 この祈る気持ちを、妻が私より気にかけてくれていたのだろう。PCに熱中する私に「雨が」と教えてくれた。 実は、今回は、それまでに溜まっていた「灰」をいったん取りだした上で焚火をしよう、と考えていた。だが、この日は雨の隙間を見ての焚き火になったから、その時間がなかった。それだけに、さらに焚火をして灰を増やしたわけだから、雨で濡らしたくなかった。 明け方に、雨がパラツキ始めた中を走り、まだほんのりと温かかったが、もう大丈夫と判断し、無煙炭化器にカバーにかけた。少し濡らした雨を、きっと余熱が乾かすだろう。 その後、雨模様の「中3日」を過ごし、晴天の金曜日を迎え、灰取りをした。1袋分は冨美男さんに、もう1袋分は義妹に、そして残りの1袋はわが家用に、と詰めた。 |
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無煙炭化器にカバーにかけた |
残りの1袋はわが家用に、と詰めた |