興味津々

 

 安倍首相はまたぞろ「経済第一」を打ち出し、GDP600兆円をうたいあげた。他方、日本の国債はアベノミクスの甲斐なく、米S&Pに一段格下げされ、中国や韓国の下位になった。国の借金は1000兆円を超え、未来世代の肩に負担が大きく食い込ませながら、戦争末期より厳しい財政難に陥らせている。にもかかわらず、大判振る舞いに明け暮れる外遊に熱心だ。

 北朝鮮のミサイルが「10分で到着すると」と訴える一方で、安倍首相は狙われては困る原発を再稼働させ、原発が原爆並みに化ける恐怖を醸造する。その、原発再稼働にいたる経過にも「ヤッパリ」との感を強めさせる資料があった。

 311をきっかけに原発推進派であったメルケル首相は「日本の出来事から分かることは、科学的にはあり得ないことが起こること」と語り、脱原発に舵を切った。この人は今、原発再稼働と原発の売り込みに躍起になっている安倍首相をどう見ているのか。

 なぜ安倍首相は原発を再稼働させ、ノビノビと振る舞っておれるのだろう、とみていたが、なかばその意味が分かったような心境にされた。例のごとく、安倍首相の気休めのウソを思いっきりついていた。オリンピックの誘致活動時は「ブロック」 と「コントロール」という言葉を用いて思いっきり気休めのウソをついたが、きっといつか、どこかででたらめを言って、同じようなことを、つまり気休めしているに違いない、と睨んできたが案の定だった。

 昨年9月22日に、安倍首相はNYのコロンビア大学で講演し、「完全に安全を確認しない限り原子力発電所は動かさない」「原子力規制委員会が安全と判断したものについてのみ稼働してゆく」と断言しており、拍手され、得意げになっている。そして、日本は原発再稼働を「100%安全確保がされない限り行わず」と(首相が言明したと)世界に伝えられた。

 太平洋戦争では、あれだけの犠牲を国民に強いていながら、安倍首相のおじさんをはじめ、誰も責任を取っていない。あえて言えば、責任を曲りなりにとった人は、敗戦前後に自決などをしてはてた人の中で探す他はないようだ。原発問題でも同じことが繰り返されつつあるのではないか。心配だ。その予告編は、東電の責任問題で見られることだろう。

 ちなみに、小泉元首相は、原発の「安全で、一番安く、クリーンだ」との主張は「全部ウソだ」と断言している。