苦渋の決断を伴ったしめ縄作り

 

 後藤さんに、27日日曜日のルーチンワ−クの後で、教えられたことがことの始まりである。恒例のウラジロ取りをしてきた場所から、ウラジロがいっさい消え去っている、と聞かされた。その時に、しめ縄作りを断念した。

 ところが、妻は「ワラをいただいているのに」と不満の声を上げた。お願いしたわけではないのに「下さったワラ」だと念までおされた。その後、裏山のウラジロの現状を冨美男さんに話す機会があったが、翌日、冨美男さんの畑の近くの山で採ったというウラジロが届けられた。

 かくして30日(半世紀近くにわたってしめ縄づくりをしてきた日)を迎えたが、私は造る気にならなかった。ありがたいことに、伴さんから(新ビジネスが多忙で)やはり今年は参加(ウラジロ採りが)できない、伴さんから断りが入った

 サッパリした気分で大晦日を迎えたが、妻は庭でダイダイを採り、街でタチバナテの実を3つ買い求めて来た。「さあ困った」と思った。ウラジロはしめ縄だけではなく、御鏡餅の飾りつけにも用いる。その餅は出来あがっており、私の担当だ。そのつもりで、吊るし柿も造ってあった。「サテどうするか」と迷った。

 「歳だなあ」と思わせられた。これまでの私なら、こうした場合は革新の方を選び、それでうまくやってきたつもりだ。だが、保守になっている自分に気付かされ、御鏡餅の飾りつけと同時に、2つだけしめ縄を作り、門扉喫茶店の入り口だけには取り付けた。
 

伴さんから断りが入った

御鏡餅の飾りつけ

御鏡餅の飾りつけ

門扉

喫茶店の入り口