やっとタップリ
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結さんに、わが家流元旦のありようを一通り説明した。そして、いざお節料理に、となった時のことだ。夕食時の約束を思い出し、私は妻に質問をした。 お節料理の中で、補充が効く品々は何か、と問うつもりで、「どれを食べてもよいのか」を妻に問いかけた。妻は「どれでも」と応えた。 今年の亀(タケノコ)や紅梅(ニンジン)などは維さんが造った。それには数に限りがあるだろう。「エビも12匹ありますから、どれを食べてくださってもよい」という。問題はその後だった。「ほかにも詰めていないものがありますから、どうにでもきれいに詰め直せます」という。妻も、松尾さんを夕食に誘っていることを認識していた。とはいえ、何か私の言いたいことと咬み合っていない。この会話を聴いていた維さんも遠慮したのか、恐る恐る箸を出していた。 おかげで、タップリ夕食時に食すことができた。食した、というより食い散らかせた。 また、妻は異例のことをした。2日目に済まし雑煮を用意した。わが家では、亡き父と母の家風に沿って2種の雑煮を食すが、澄まし雑煮は三が日が終わってからだった。だが妻は、維さんにその両方を体験させたかったのだろう。 |
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亀(タケノコ)や紅梅(ニンジン)などは維さんが造った |
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澄まし雑煮は三が日が終わってからだった。だが妻は、維さんにその両方を体験させたかったのだろう
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