3度目の善哉

 

 妻は今年も「御鏡開き」を、小正月明けを待たずにした。大きな餅がカチカチになる前に、と思ってのことだろうが、何年か前からこうしてきた。

 その日を、今年は前週末「9日の土曜日に」と目論んでいたようだ。アイトワ塾の新年会があった日であり、その「デザートに善哉を」と考えていたのだろう。

 その後、喜田さんという女性に、急遽訪ねていただけることになった。彼女をゲストルームに迎え入れたその手で、と言ってもよさそうなぐらい手早く、妻はそこにかざってあったお鏡餅を引き下げた。そして、ものの1時間もせぬうちに、焼き餅を入れた善哉を運んできた。これがこの日の午後のお茶になった。 

 喜田さんはかねてから存じ上げてきた人で、英語に精通した人だ。この度、事情があって助成を依頼し、快く引き受けてもらえ、その打ち合わせ初日がこの日となった。例の網田さんの助言で始めた「アイトワの小史」作りで、12枚の写真説明を日米語で並記することになり、リズさんだけでなく喜田さんの手も煩わせることになったわけだ。

 2度目の善哉は、その夜の催しごとの時で、この日2つ目の印象深いひと時に振る舞われた。この度、アイトワ塾の新年会を初めてゲストルームで行ったが、こじんまりした部屋であったおかげで話題が割れず、とてもヨカッタ。その締めくくりとして、善哉が振る舞われた。

 ちなみに、3度目は庭で、翌日の午後にとったわけだが、それぞれ(微妙に変化がありながら)甲乙つけがたいことを知った。