文化と法律

 

 現場にも精通した科学者の視点や視線を感じた。85歳とのことだが、カクシャクたるもの。85歳までに私にはあと8年ほどある。その時は2025年。日本が破たんすると私が睨んでいる年だ。だからだろうか、なぜかとても心惹かれた。

 東京出張のおかげで、この本も読めた。海水の淡水化事業に関わった経験や体験が綴られていた。日本の水不足を想定し、国家プロジェクトとして海水の淡水化事業が進め られて来たらしい。それ自体は、私には笑止千万だ。自ら汚さなければ、わが国は美しい水の宝庫なンだから。この思い違いが、徳山ダムであり、長良川河口堰であり、と数え上げたらきりないほどだ。福島の、原発事故に至っては、天に唾を吐いていたようなものだ。

 ところが、この海水の淡水化は中東で人気を博し、思わぬ成果に結びついているという。でも、あと10年でどうなるのかなど、色々なことを考えさせられた。