大進化

 

 進化は2つある。己の得手をどんどん発達などさせる小進化と、生きる仕組み自体を代えてしまう大進化だ。この会社では、大進化の必要性を1〜2年かけて語り合った。1990年から1993年ごろにかけての思い出だ。

 バブルがはじけたことがまだ見え切っておらず、一服気分のような人が多かった。私は1990年に、オランダのチューリップ事件を取り上げ、土地を対象としたバブルの危険性も『人と地球 に優しい企業』で訴えたが、耳を傾ける人はまだいなかった。

 実に素晴らしい経営者だと思う。まず、結果ではなくプロセスを大事にする改革に取り組み、ついに主力取り扱い商品だけでなく、売り先も一転させるなど、大改革を見事になしとげた。「言うは易し、だが行うは難し」の問題を見事にこの経営者は成しとげた。

 もちろんこの成果はこの経営者のリーダーシップのおかげだが、それについていった人たちも立派だったと思う。この度も、なぜか私までがその一端に加えてもらえたような心境にされ、とても嬉しかった。

 でも、この「贈物」のナゾが解けるまでの1ッ昼夜余のオアズケは、奇妙な心境だった。干物であったからヨカッタ。幾重にも楽しい気分にされた。