イモ騒動

 

 茶々問題は解消していなかった、と今になって反省している。なぜなら、その後でイモ問題を生じさせたのだから。

 2人の女子学生は、妻が驚くほど見事に剪定クズを燃やしきり、素晴らしい燠(おき)をこしらえた。さて、焼き芋を、となった時に、この問題が生じた。妻が取り出してきたサツマイモが、2カ月前に買い求めてあったものだと私が知ったからだ。この2か月間の気温の高低差は激しかった。サツマイモは低温に弱い。傷んでいないか、と心配した。妻は、その是非を調理までして確かめてはいない、という。私は即座に、新たなイモを買い求めるために妻を走らせた。万一傷んでいたら、それまでの努力が台無しになる。いつもフィナーレは焼きイモと冷たい牛乳のとり合わせだ。そのフィナーレが台無しになる。

 おかげで、美味しい焼きイモにありつけた。

 後で聞かされたことだが、妻はこの2カ月の間は、サツマイモを冷蔵庫の背後(の機械熱で暖かいところ)に保管していたという。それが冬越しさせる妻流の方式だという。事実、確かめてみると、傷んではいなかった。

 もちろん妻に「私を信じていないのだから」とグチられた。私は「主婦ですよ」と、胸を張らせてしまった。「セラヴィ」とシャレるしかなかった。