ピカソはアフリカ人が造った仮面に、岡本太郎は縄文人が造った焼き物に惹かれたようだ。私は恐竜にとても心惹かれる。いかにも月並みだ。
1億何千万年も進化し続けた恐竜に、6500万年前のあの出来事がなければもっと進化していたかもしれないなどと考え始めると、たまらなく恐竜に心惹かれる。
このたびの恐竜展はとても貧相だったが、日本でのこうした催しはだいたいが貧相と決まっているかr我慢した。もちろん、まったくの無駄ではなかった。まず、スピノサウルスに「龍」の原型を観たような気分にされており、愉快な想像や連想に誘われたからだ。龍を実感したような気分にされた。
また、近年発掘された孵化前の子どもの恐竜や、羽化初期の恐竜の化石にも触れており、考えさせられるところがあった。それよりも何よりも、1人で駆けつけていた若い女性が大勢いたことに興味をそそられた。
取り分け幼児期に、こうした太古の生き物の存在に気付かせたり、気付かされたりしている人たちの姿に、なぜかほのぼのとした気分になった。
|