過日観賞した『荒野の7人』と見比べたくて、土曜日の夜、うずき始めた指を気にしながら『七人の侍』を観た。それがヨカッタ。
『七人の侍』では、三船敏郎演ずる菊千代は、山賊との最後の決戦で、有終の美を飾った。山賊の親分に、種子島で腹を打たれたが、それは山賊が有する最後の一丁だった。私なら、傷口を手で押さえ、しゃがみ込んでしまうところだが、菊千代は違った。傷口を手で押さえながら親分を追い詰め、刀で突き殺した。
この時の菊千代の行動は「生きものとしての読みの勝利」と私は実感した。この命を賭けた菊千代と比べたら、月とスッポンほどの差があるが、私なりに似たような咄嗟の判断を半日ほど前に下していたからだ。
菊千代は、死を覚悟し、死ぬまでの時間差を見事に活かし、有終の美を飾った。私の場合は、「骨は折っていない」と自己診断したうえでの行動で、親指がうずき出すまでの時間差を活かさなくてはと考え、畑に走っている。
|