知恵比べ
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シカが日曜日の夜に侵入し、またイノシシスロープに自生する複数のマチヨイグサの葉を、ことごとく食べ尽くした。よほどの好物だろう。これで3度目。まるで、この葉の再生を待って侵入しているかのようにさえ思える。 この度の侵入での成果(と喜びたくはないが、知り得たこと)は、アップルセージとオトコエシもシカの好物だと分かったことだ。今年は各1本しか育っていないが、この2本より手前(侵入口と思われる位置から見て)に茂っているギボウシ(昨年はすっかり食い尽くされた)を素通りして食べている。 大量に食べられたのはシュクコンソバの葉だ。今やシュクコンソバは庭の困りものになりそうなほど随所で茂っているが、これでシカは腹一杯にしてことだろう。 問題はシカの侵入対策だ。出来れば、獣害監視器の記録を点検したいところだが、これは師匠の角出さんを待ちたい。ついでの折に立ち寄ってもらうことにしている。そこで、私なりの手を打った。シカはキラキラ光るものを恐れる性質なので、その性質を突く最も簡単な手立てとして「テルテル坊主」スタイルを考案した。シカは用心深くてあまり賢くないから、これで十分有効ではないか。 カラスは月曜日に袋を被せたスモモを襲った(そのつばみ方で、カラスと判断した)。万事休す。対応には物理的補強が求められるが、そこまで手作りする気分にはなれない。問題は、スモモを襲っていながら、実を落すことがあり、落した実を拾っていない。スモモは縁先から間近にある木だから、人間の目を気にしたのだろう。 もっと深刻だったことは、賢くて用心深いカラスに畑のトマトとキュウリを襲わせたことだ。これまでは2枚の防鳥ネットをいかして脅していたが、第3次のトマトとキュウリの畝の部分は外れていた。その隙間を狙われた。つまり、防鳥ネットは脅しに過ぎない、と見抜かれた恐れがある。そこで、防鳥ネットを1枚追加し、新たな張り方をすることで、今度は脅しではなさそうだ、と思わせることにした。 この後、楽しいことがあった。カラスが落したスモモをヒヨがついばみに来ていたので、その実を脚立の上に置き、観察することにした。おかげで知り得たことがある。結果として分かったことだが、今は、ヒヨが子に巣離れの準備をさせる時期であったことだ。まず母鳥は、脚立の上に置いた実をついばみに来ていたが、やがて実を落した。ついに2羽の子を呼び寄せ、口移しで餌を与え始めた。 ずる賢いカラスと違い、不用心なヒヨは可愛いいね、と目の前で繰り広げられるドラマを妻と喜び合った。だが、喜んでいる場合ではなかった。この間に、カラスに、新たな脅しが効いていなかったことを知らされる事態が生じていた。やむなく、手持ち最後の防鳥ネットを1枚とりだし、隙をかなり埋めた張り方にした。 この効果のほどはまだ確かめられていない。 もう1つ喜んではおれない時期になった。ブルーベリーが熟れ始め、ヒヨに襲われかねなくなった。火曜日のこと。妻が金太の墓穴を仕上げている間にこの防鳥ネット張りに手を付け、途中から妻の加勢を得て、日没までに張り終えた。 とはいえ、残念な部分が残っている、防鳥ネットの寸法が足らず、レースカーテン生地で埋めた部分があり、そこに隙間があることだ。ヒヨは、隙間があれば躊躇せず(逃げ出す時のことを、つまり「未来のこと」を配慮せず)に入りこむ。 |
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脚立の上に置いた実をついばみに来ていた |
2羽の子を呼び寄せ、口移しで餌を与え始めた |
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