ナルホドと得心 |
あの詩「とけい」を知った後で、私はある10歳の子ども(萩野美智子さん)の詩を振り返った。45年ほど前に初めて広嶋の原爆ドームを訪れたが、その時に知った詩「お母さんと妹」だ。言い知れぬ臨場感に打ちのめされた詩を思い出した。 この詩を振り返りながら、「とけい」を読み直したが、「とけい」の作者も気の毒な子どもだと思った。その私の想いを来客に吐露したわけだが、しばらくの間を置いた上で、「こうは考えられませんか」と、異なる視点を教えられた。 「その子どもさんの身の回りにいる大人」の影響ではないか、「時間に追い回され、意義や喜びを見いだせない仕事に振り回されている大人」を見て育った子どもの思いではないだろうか、との指摘であった。 目に見えない拳骨を頭にゴツンと一つ下さったような気分だった。
|
お母さんと妹 |