「この木も」と思った。「切開手術が効くかもしれない」。幾年か前に手術した切口の1つが。見事に塞いでいたから「キットうまく行く」と思った。
そこで、この見ごとに切り口が塞いでいた幹は、芽生えていた徒長枝を大きく切り戻した。この幹の成長を抑制しても、切り口に洞ができる心配がない。
他方、うまく切り口がふさがれていない切り口は、キハダで成功した「やり方」を用いて、つまりホウノキでもうまくいった切り方に見習って、切り直した。そしてこの幹に出た徒長枝はそのままにしておいた。これでうまく行けば、次年度、徒長枝を根元から切り戻し、小さい樹形にできるように「完成させよう」と思った。
ホウノキは、キハダ(では6年ほどかけて樹高3mほどで抑えたが)と違い、もっと背たけを押さえることで加齢対策の完成、と見ているからだ。キハダは、幹の甘皮が万能薬のごとき漢方薬になるから、幹をかなり太らせたい。他方ホウンキは。わが家では葉を収穫したい。朴葉味噌を味わいたいからだ。もっと歳を取れば、3日にあげずに朴葉味噌を味わいたくなるかもしれない。そのたびに、葉が1枚必要になる。その葉を、簡単にちぎり取れる樹高に収めておきたい。
キハダの加齢対策は、6年ほど前に頭部をバッサリ切り落とすことで、始まった。これ以上の高木にすると、私の手には負えなくなる、と思ったからだ。もちろん、試行錯誤、紆余曲折の始まりだった。3年前の今頃(2013年1月23日)のことだ、大手術の必要性に迫られる事態に至った。「このままでは樹冠部の切り口を腐らせてしまい、洞を作らせ、樹木を弱らせかねない」と思われる失敗をしでかしていたのだ。
そこで、「私がこの木なら」と思案したあげく、ついに「かくのごとく大手術をしてほし」と木が願っているかのごとき気分にされ、その願う通りに切開した。待つこと3年。この度、その術は大成功であった、と知った。
だから、「このやり方」でホウノ木も、と考えた。そしてホウノキでも、と脚立を移動し、登ってみると、1本の幹でうまく切り口が塞いでいる例を知った。
この結果を見届けるまで、「心臓を何としても持たせたい」
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