「つぶす喜び」に固執

 

  わが政権は、まさにつぶす喜びに固執している。拉致被害者救済は(リップサービスだけで)疎かにし、海外派兵を可能にした。武器の輸出を可能にしただけでなく、原発(原爆製造の前段階でもある)輸出まで推し進める。挙句の果ては国民の心までむしばむカジノまで「経済成長の目玉」に選ぶ。

 その上に、パールハ−バー慰問だ。パールハ−バー慰問自体には異論はないが、問題はその前にすることがある。順番を間違っている。

 なぜなら、パールハ−バー慰問は、パールハ−バーが原因であって、原爆投下を生んだことを認めるわけだが、その前に、すべき重要なことがある。原爆投下という民間人無差別攻撃の犯罪性の強調こそが優先すべきことだろう。

 それは歴史上、ナチスのゲルニカ(民間人無差別爆撃)に始まり、わが国の南京攻撃(無差別爆撃と、その後の南京虐殺)と続き、ついには原爆投下を許すことになった問題だ。それだけに、まず南京慰問が先決だと思う。南京を慰問し、両国間の(互いの主張に真摯に取り組み)わだかまりを解消し、民間人の無差別攻撃を犯罪として国際的に認め合う世界にすべきだ。わが国は、それができる最右翼の立場にある。

 南京問題を解消したうえで、民間人の無差別攻撃まで引き起こしかねない戦争自体を問題にすべきだ。その過程で、パールハ−バー慰問を実行し、そこで「だから、わが国は憲法9条を堅持している」と誇らしげにと挨拶すべきだ。それが真に、アメリカ人への恩返しではないか。

 首相の「結婚詐欺師」的素養を見てきたが、まさにその感を強くしている。相手を喜ばせながら、金を巻き上げ、カラダだけでなく、ココロまでむしばむ。