手作りのシンボルマーク

 

 このたび、足掛け6年もの間大事に取り置いてあった2つの代物に新しい役割を与えた。2つの代物とは、アイトワのシンボルマークを木彫したプレートであり、佛教大の学生主導プログラムを立案した初回メンバーの作品だ。卒業時に贈ってくれた品だ。

 ちなみに、その時のリーダーは今、手作りを尊ぶ仕事へと転職し、幸せな家庭も構えている。これは私の勝手な憶測だが、きっとこの家庭は、アイトワのごとき生き方に、人生を次第にシフトするに違いない、と私は見ている。

 私は小学1年生の時に、この生き方に踏み出した、と言って過言ではない。キッカケは大きな屋敷に住まう友達に誘われ、その庭で「かくれんぼ」をして迷い児になりかけたことだ。ドキドキしたが、友達の声ですぐに見つけてもらえたが、その時に「こんな庭が欲しい」と思っている。

 その思いはやがて「自分で作らなくては」との思いに私を駆り立てた。子どもだったからか、父が不治の病で寝込んでいたからか、あるいは欲しいものが、「店頭」で売っているようなものではなかったからか、分からない。いずれにせよ、「買う」という発想が生じていない。「自分で作らなくては」と一途に思い込んでいる。それがヨカッタと思う。

 それが何もかもを手作りしたいと願う生き方に誘った。手作りに惹かれる人生に、あるいは交歓を尊ぶ生き方に誘った。それがヨカッタと思う。

 


2つの代物に新しい役割を与えた