瞳さん手作りの大小の手籠はとても便利だ。小さい方を腕にかけて収穫し、重くなれば大きい方に移してゆく方式で、コユズを採った。その過程で、小鳥がついばんだ実を1つ見かけ、捨てた。2つ目からポケットに忍ばせたが、計5個のコユズがついばまれていた。
2年前は今頃に、小学6年生の結が1人でコユズを収穫した。その時は寒冷紗を被せていた。この冬は暖かいわけだ。また、その頃はこの木は元気だったが、同様に元気だった甘夏ミカンが先に弱り、大手術をしたが、同様の状況になった。
「それにしても」と、実を収穫しながら鶴田夫妻に感心した。鶴田農園(「甘夏ミカン」や「デポコン」の開発者としても有名)のご夫妻のことだ。昨年、お越しの折に「このコユズは病気」と見抜き、泊って頂いた翌朝に、ご夫妻は根元にかがみ込んで「(蟯虫が)入っているはず」と太い根の一部を削って点検。その時は、「診間違い、かな」とおっしゃった。
「案の定」その後、秋口から弱ってしまい、葉が黄変し、ついに落ち始めた。やむなくこの度、実を収穫した後、ある願いを込めて大手術。
木に余力があれば、こうしておけば頑張るに違いない。「殺されてなるものか」と「頑張るのではないか」と私は願っている。
この願いがうまくかなえば、後ろのミカンの若木(白い冷紗が被っている)も喜ぶ。コユズに日陰にされていたが、日当りが良くなってグンと成長し、コユズが元気を取り戻して再生長を始めるまでに共存できるまでの樹形になっているに違いない。
この日の夜、2人の収穫物を並べ、コユズが小鳥についばまれていた話を妻にしたが、その時はすでに遅し、だった。妻はその1個から調理に用い始めていた。そして、元日早々に「ユズの収穫をしないといけませんネ」と言い出したわけも知った。ヒヨがユズをついばむ場面を目撃したからだ。
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