花森さん
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二人誌「埴輪」の編集書から、3篇抜粋。まず政治ジャーナリスト・宇治さんの13偏目に「命がけの想い」と「真ともな感覚」を見た。そして当時を思い出した。当時の(臣民と胸を張りあった)国民の間は「こうした想いや感覚」に「非国民」「国賊」あるいは「売国奴」という罵声を浴びせた。臣民は、まともな青年男女まで無駄な死地に追いやる空気を作った。 花森安治の教えを伝えたい人・小榑さんの7編目は、そうした時代をよく知る花森さんの思い出だ。花森さんが私たちに、何を伝えようとしていたのか、ますます知りたくなった。 そして、もう一編。宇治さんの20篇目。「真ともな感覚」「バランス感覚」を欠いた人をいただく未来は決して明るくないと危惧する。たとえば、「事実」と認めて詫び、二度と「蒸し返さないこと」を条件に国税10億円を支払って和解しながら、日本の教科書からは「事実」をかき消そうとしている感覚。あるいは、詫びざるを得なくなる前に、「事実」を事実として国民に知らせたメディアをつぶそうとしておきながら、未だに反省していない感覚。それはまた国民を戦地に駆り出すような愛国心の醸し直しの序曲ではないか、と私は勘ぐった。 この一著は「いま言わずして」を題に選んだ。 ちなみに、トランプ大統領は、自分に都合の悪い記事や報道を「偽ニュース」で片づける。アメリカにはそれを真に受けたい国民が4割ほどいそうだ。だが、アメリカには大統領就任式に参加した人(右側。左派16年前)よりはるかに多い人が、大統領不信任の気持ちをデモで表している。 |
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