国会中継

 

 自民党と公明党議員の喚問には、とりわけガッカリした。国民のために真相を、の意識はは微塵もなく、ひたすら塗泥に徹していた。「策士、策におぼれる」と言う諺があるが、私は「策士がどのような策を弄するだろうか」と、買いかぶっていたが、策士でさえなかったわけだ。愚か者が、慌てふためいている姿に過ぎなかった。策士ではないかと買いかぶった自分が恥ずかしくてならない。

 過日、石原慎太郎の百条委員会での攻防があり、それもバカバカしかった。石原慎太郎は開き直ったかのごとくに、小池知事が移設をいたずらに遅らせている、となじった。いったい何が言いたかったのか。「もしあなたが知事なら、とっくの昔に移設していた」と言いたいのか、と誰かが問うてほしかった。この人はかつて「南京事件はなかった」と断言したこともあったが、加害を避けたがる人は、真の自虐者なのだろう。このような人を都知事に選び、再選までさせた日本の風土は心配だ。

 それはともかく、森友学園事件は情けない話だ。籠池理事長は「神風が吹いたような感じ」とか「梯子を外された」ように感じる、と語ったが、実感だろうし、事実だろう。

 首相は、問題化が弾む前に「教育方針はすばらしい」と語っているが、それは実感を述べたのだろう。首相や首相夫人は、にわかに被った火の粉を振り払いたくなったようだが、情けない話だ。

 命取りになりかねないワナにかかったキツネのように見える。虎の威を借りたキツネが、なぜワナにかかったかのようなことになったのか。そこにこそこの問題の本質がある。「内閣総理大臣夫人付き」を名乗る職員が、つまり用心ぶかい役人が、なぜこうも不用心になったのか。朝日新聞と、NHK-TVに頼った疑問だが、他のメディアの見方もとても気になる。

 それはともかく、メディアの中にはすでに、首相夫人の国会での喚問の必要性も問うアンケートを済ませており、圧倒的多数の国民がこの人の喚問も不可欠と応えているに違いない。まだ、アンケートがとられていないとしたら、それこそ問題だ、と思う。