妻に真剣みがなく

 

 シカは、ギボウシよりもパンジーが好き。ササも食べる。リュウノヒゲやイラクサも好物のようだが、ホップまで食べられたのは辛い。イノシシスロープに生えたマチヨイグサはことごとく食べられたが、植木鉢や筒育てのゴボウの筒などに生えた分(を抜き去らずに育つに任せておいてヨカッタ。金曜日の朝現在に至るまで)は計3本ともに免れている。

 パーキング沿いに7つの大きな下水桝花壇が並んでいるが、その内の3つに植えたギボウシは無事だ。だが、下水桝花壇のふちに置いてあった長鉢のパンジーがやられた。テラスから引き揚げたパンジーの、残り花を飾っていたわけだが、きれいに食べられた。それを、妻は私の仕業と見たようで、なぜ刈り取る必要があったのだろうか、と不思議に思っていたという。

 それはまだしも、シカクマメ用常設棚がある畝に植えたトウガラシの被害にはガッカリした。トウガラシは食べないものと見て植え、花も咲き、実が出来始めていただけにだけに腹がたった。

 妻は「トウガラシも食べるんですか」と感心するのはまだしも、パンジーをきれいさっぱり食べ尽くした様子に感心し、カンカンに怒る私の横で、「こんなにきれいにお掃除をしてくれるのなら、日当を払ってあげるのに」と、のたまわった。

 つい、グチが口をついたが、妻のおかげで、ホトトギスやウグイスが庭で鳴き、コジュケイが庭でうろつき、ノバトが側に近づいても逃げずに、餌をついばみつづけるのかもしれない。今年は計画通りに、裏庭新果樹園、そして庭の南面などを野草が茂るままにしているから、昆虫や小動物が増え、さらに賑やかな庭になるだろう。

 アスパラガスの畑も襲われた。先に襲われて以来、今年は収穫を控え、すべてを次年度に備えて残し、長けさせた。4株分の茂みができていたが、奥の1株を除き、3株分が平らげられてしまった。この後で、北村さんとの会話で、パリの白アスパラガスが登場した。今頃のパリの街角は、あちらこちらに出店が現れ、白いアスパラガスと赤いイチゴで溢れんばかりになる。

 金曜日の朝、庭を点検すると、またシカが侵入しており、枝垂れ梅の葉にも被害が出ていた。その状況から見て、侵入癖がついたシカはそれほど大きくはなさそう。

 何よりも残念であったことは、前日植えたトウガラシが再び被害に合っていたこと。シカクマメ用常設棚がある畝に植え直し、イノシッシフェンスを立てかけておいたのに、被害に遭った。それは、前夜の雷雨の前に突風が吹いたが、フェンスを倒したようで、そのせいだ。

 それにしても不思議だ。植木鉢で育つマチヨイグサの1本は、連日シカが側を通ったはずだが、手を出していない。残る2本は、安全な位置にある。1本は筒育てのゴボウと一緒で、位置が高い。もう1本は、母屋の玄関前にあり、まだここまでは侵入していない。このうちの1ぽんであれ、残れば種が採れる。

 

長鉢のパンジーがやられた

ノバトが側に近づいても逃げず

裏庭

新果樹園

庭の南面

3株分が平らげられてしまった

植木鉢で育つマチヨイグサ

もう1本は、母屋の玄関前