大事なアポイント

 

 バクダモンの岡部社長を、細菌商品であるバクダモンを試用した農園に案内する予定だった。だから岡部社長を迎えたが、あいにくの大雨となり、農園見学が無理になった。

 さア大変。

 ありがたいことに、岡部社長は私との雑談にそれなりの意義を見出してくださった。真に私は、これからは細菌と人間の調和の時代になると思っている。この点で言えば、日本は後進国だ。日本は、納豆、日本酒、味噌や醤油、あるいはカツオブシなど細菌王国なのに、抗菌グッズを流行らせるなどアンチ細菌思想に毒されている。このトバッチリは悲惨な結果に結び付けかねない。

 これも4次元的発想が、それが大げさなら、生物学的発想が求められる、言いたい。

 例えば腸内細菌。20年ほど前は、100種100兆個の微生物が棲んでいる、と聞いて驚いた。だが今では、500〜1000種、500兆〜1000兆個の細菌が棲んでおり、目方にすれば1.5kg、と分かってきた。

 おそらく、そう遠くない未来に、O157問題の報道も大きくさま変わりするだろう。どこそこで何人が発症した、では終わらなくなる。それで視聴者を恐れおののかせば、ニュースの値打ちが充分ある、では許されなくなる。

 A校では、100人が同じものを食べて、10人発症。B校では、500人が同じものを食べて、20人発症。C校では、100人が同じものを食べて、30人発症。こうした数字が求められ、B校とC校の生活指導の差異なども調べて報道することが求められるなど、様変わりするだろう。

 これも私は2025年問題に含めて考えている。太陽光線の恩恵を受けず、無菌工場での野菜栽培が商品価値を高めていた、なんてことが化石のごときおとぎ話になるだろう。

 もちろん、こんな話を岡部社長とした訳ではなく、このような考え方をした私が、岡部社長の人生相談に乗ったわけだが、案外それがお役に立てたようだ。

 そうこうしている間に、次のアポイントの日程が用意されていた。お忙しい人の日程調整は実に難しいが楽しいことだ。