この人は、今は亡き人を慕い続け、毎年その人の命日に墓参する。その日を奥様孝行の1日にもしているようだ。その墓は京都の右京にあるとかで、墓碑には「自由」との文字だけが記されている、と聞いた(ように記憶している)。いつも墓参の日に、一帯を奥様と散策し、お茶の時間になるとアイトワに立ち寄って下さっていた、という。
あるとき、妻に最寄りの「花屋さん?」を尋ねた、とおっしゃった。そうとは知らずに私が相談事を持ち掛け、落ち合って再会した時のことだ。妻は、庭のクリスマスローズで花束をこしらえ、進呈したらしい。クリスマスローズはこの人が墓参しようとしていた故人の好みの花であったとか。その時にこの人は、後年になって、アイトワと私が結び付いたようで「ビックリした」とのこと。
クリスマスローズの一件を知った日に、その旨を妻に告げると、即座に数年前のことを思い出した。なぜか、クリスマスローズで花束をこしらえたくなったようだ。
この度この人と、次のようなメールのやり取りをした。
「驚きました。(出張から帰宅すると)私の大好物が届いていました。『どうして』『何方から』と思いました。まさか、「生ガキが、干しガキに変身」することがあるンだよ、と、驚かせてやろうと思われたのではないでしょうね。実は、私は干し柿が大好物。しかも、この手の品は、初めてです。1つずつ、ジックリと楽しませていただきます。
このようなメールに対して、
「こんなに喜んでいただいて嬉しいです。メールで大笑いは初めてです! 僕が大笑いしたので家内が何事かとびっくり。事情を知って、家内も大笑い。『狙いが当たったね』って。この紅柿。僕が敬愛した映画監督・小川紳介監督ゆかりの品です。小川さんの映画を上映することが僕のまする。中国のペン・シャオリャン監督。彼女は小川さんが撮り残したフィルムをベースに『満山紅柿』を作りました。
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