スロープ階段の防草舗装で直面した難問
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暮れから手を付けていた「固まる防草土」を活かす工事では、スロープ階段の一端を急ぎ(佛教大生の来訪日までに)仕上げておきたくなった。佛教大生にとって、他の一端の工事を(作業ではなく)創造活動に格上げしたかったからだ。 そう思って手をつけたところ、太い桜の根(1直径3p程)が土からはみ出しており、計画通りに踏み石をまっすぐに敷こうとしたら、その根を切り取らなくてはならないことが分かった。「さて困った」。若き学生なら、難なく切り取ってくれるだろが、それでよいのか。 根を切り取らずに、踏み石を(一輪車道の)反対側に替える手があった、と気づくのに1昼夜を要した。すぐに思いつけなかったわけは、おそらく、それに伴う2つの問題(余分な作業)が気になったからだろう。1つは、この奥に続く既存の踏み石を、その分(30cmほど)移動させなければならなくなる。他の1つは、同様に庭木もその分だけ刈りこまないといけない。 妻は「桜の根を切らない方がよい」と迂回に賛成した。それは、通路が途中で、一輪車道を挟んで入れ違いになるわけだから、夜分に通るときは「要注意」を、意味している。 ディスクグラインダーを取り出し、石を切ることが必要になった。「面白くなった」と思った。石を切るだけでなく、セメント製の手作り踏み石にセメントの下駄をはかせる作業も求められた。 次々と新たな状況判断が求められ、創造性の醍醐味を追い求めることになり、夢中になった。 まず、在り合わせの材料を駆使して片づけたい。屎尿タンクの側にある道だから、汲み出したバケツをぶらさげた時に、どこに足を運ぶかも要検討だ。足の運びだけでなく、ふらついた時の、踏踏み外した時のことも要配慮だ。老体には「転びは禁物だ」。なにせこの道の役割は、重い荷を積んだ一輪車を操って無事に通れるようにすることだから、一輪車の道はずらすわけにはゆかない。 これらのシュミレーションを加えた作業にして、他の誰とも異なる機能美を発揮させたい。かくなるうえで、不測の事態が生じた時は「おぬし、やるな」ではないが、己の読みの悪さに気づき、得心し、覚悟の上で寝込みたい。それなら妻も、看病のし甲斐があるというものだろう。 のべ3日がかりの仕事になった。この間に、新春の定期検診日が入っていた。妻は、「足がむくむことを、きちんとお伝えしてくださいね」とのお袋のような言葉を背に浴びせた。 |
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太い桜の根(1直径3p程)が土からはみ出しており |
踏み石を(一輪車道の)反対側に替える手 |
踏み石にセメントの下駄をはかせる作業 |
他の誰とも異なる機能美を発揮させたい |